デクラメーション

雑記帖

DECLAMATION(デクラメーション)とは、ラテン語ではDECLAMATIOと表記され、朗読法を指します。すなわちギリシャ・ローマ以来の弁論術とリンクさせることが出来ます。ヨーロッパでは、政治家、神父、牧師、教師、演劇家、声楽家たちの用いていた方法論です。音楽の分野では、歌唱声部に於ける歌詞の音節の強弱と長短の様態を言語芸術における朗誦や語りを基にして様式化したものと定義できる。
声楽作品の創作に携わる文学者と作曲家の双方が話し言葉を様式化したデクラメーションを音楽へ取り入れることに関する無理解ぶりがDECLAMATIONを正しく実践されない原因の1つである。
文学者と作曲家の双方においては、言語芸術における朗読の美と、音楽芸術における歌(旋律)の美とは両立しないという考えが共有されており、其々の分野の研究家もまた相手の理論を無視しがちである。
 このような認識は、歌の旋律の美しさを従来慣れ親しんだ、一見心地よい滑らかな響きと同一視しているところに起因する。むしろ、実際には、話し言葉を様式化した「自然な」旋律は音楽における美と共存し得るものであって、カンティレーナ cantilena(抒情的な性格の強い歌唱旋律で、規則的な小節構造を用いて作曲されることが多い)においてさえも自然なデクラメーションを実現させることが可能である(19)。さらに、こうしたデクラメーションを伴う複雑な旋律によって、音楽へは新しい美がもたらされ、楽曲の特質が十全に表象されることにもなる。わが国では大正年間、関東大震災直前、山田耕筰(やまだ こうさく)と北原白秋が机を隣り合わせながら議論を積み重ねた結果、雑誌「詩と音楽」を刊行し、日本語の語感に根ざしたDECLAMATIONを実践させた歌曲を次々と発表したことは注目に値する。
又、浄瑠璃がヨーロッパの時代を同じくして17世紀初めに、人形劇と合体しより劇的な芸術へと変化していったことが、ヨーロッパに於けるバロック音楽の革命的なコンセプトと同意義なのは脅威に値します。

DECLAMATION(デクラメーション)とは、ラテン語ではDECLAMATIOと表記され、朗読法を指します。すなわちギリシャ・ローマ以来の弁論術とリンクさせることが出来ます。ヨーロッパでは、政治家、神父、牧師、教師、演劇家、声楽家たちの用いていた方法論です。音楽の分野では、歌唱声部に於ける歌詞の音節の強弱と長短の様態を言語芸術における朗誦や語りを基にして様式化したものと定義できる。

  • 2005年07月18日22:57


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