小倉貴久子:「テンペスト」ベートーヴェン・ピアノソナタ 作品31全曲
青年ベートーヴェン31歳 ピアノソナタ作品31
小倉貴久子 フォルテピアノ:クリス・マーネ製作(アントン・ヴァルター1795年のモデル)試聴ファイル | CECILE RECORD |
Tempest (MP3 audio 610KB) | IMS 9803 |
税込定価¥3,150- (税抜価格¥3,000-) |
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このCDは
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ベートーヴェン:3つのピアノソナタ 作品31全曲 | |
ソナタ16番 ト長調 作品31の1 | |
1 | Allegro vivace |
2 | Adagio grazioso |
3 | Rondo:Allegretto |
ソナタ17番 ニ短調 作品31の2 テンペスト | |
4 | Largo-Allegro |
5 | Adagio |
6 | Allegretto |
ソナタ18番 ト長調 作品31の3 | |
7 | Allegro |
8 | scherzo: Allegretto vivace |
9 | Menuetto: Moderate e grazioso |
10 | Presto con fuoco |
楽器
フォルテピアノ
FortePiano made by Chirs Maene after Anton Walter (1795)
クリス・マーネ制作(アントン・ヴァルター1795年のモデル)
1F-g3の5オクターブの鍵盤をもち、低音から高音まで平行に弦が張ってあり、今日版の木目と弦のが平行になっているため、左手の伴奏形がたとえ和音の連打であっても右手の旋律がくっきり聞こえてくるという特徴がある。 ペダルは左右に分かれた膝ペダルで右足を上げればダンパーが上がり音が伸び、左足を上げればハンマーと弦の間に布が入り込み弱音の効果を出すことができる。
フォルテは芯がありその上倍音が豊かな華やかな音が出、弱音は繊細でレガートに歌う表現が可能。鍵盤が軽く演奏者の意図を各自に弦に伝えられるため、当時の作曲家が意図していた多彩な音楽表現が出来る。
録音データ
Exsecutive Producer: 宇田川貞夫
Recording Producer: 遠藤哲司
Recording Engineer: 永山欽也
Editor: 遠藤哲司
Recording Location: 田園ホール エローラ(埼玉)
Recording Date: 3-5 march 1999
Cover Art:小林 克 Lumieré
Cover Design:オフィスアルシュ
Technical Data
Microphone: CAD E-200
Mic.Amp:Milennia Media Model HV-3
AD Converter:STUDER Mic VALVE D19
DAT Recorderk:PANASONIC SV4100
Monitor: Cecile Special Mark III
Isolation Regulator: CSE
Digital Editing System:STUDER DYAXIS II
小倉貴久子インタビュー
小倉貴久子さんが当セシルレコードより初のソロCDをリリースしました。このところ、独自の活動が目を引く小倉貴久子さんに、その活動の行方なども含めてインタビューをしました。
小倉貴久子さんは、95年のブルージュ国際古楽コンクール、フォルテピアノ部門で第一位を受賞して以来、これが初のソロCDとなるわけですが、ここでベートーヴェンの作品31を選ばれた理由をお話ください。
ベートーヴェンは、私の尊敬し愛する作曲家で、ライフワークとして取り組んでいます。作品31の曲集は彼の32曲のソナタの中でちょうど中程に位置する作品で、初期の技巧重視で野心的な要素と、後期の内面性重視の宇宙を感じさせる要素がバランス良く兼ね備わったとても優れた作品集だと思います。ベートーヴェンは、この頃から、形式の枠組みを打ち壊すようになっていきますが、作品31はソナタ形式革命とでも言えるような斬新さも持っていてそれも大きな魅力を添えています。3曲とも違った視点で書かれていてベートーヴェンの様々な面が余すところ無く表出されており、また、5オクターヴのヴァルターピアノの威力が最高に発揮される曲集でもあります。
今回のCDはセシルレコードのインストゥルメンタル・ミュージック・シリーズ第3弾として発売されました、セシルレコードのレコーディングセッションはいかがでしたでしょうか。
プロデューサーの宇田川貞夫さんには、事前に何度も私の演奏する作品31を聴いていただき、そんな中で私のコンサートにおける一回性を理解してくださり、ライヴ感のあるレコーディングができたと思います。フォルテピアノの音を生に近く採るというのは、大変難しいことだと思いますが,質感がありベートーヴェンらしいサウンドになっています。編集からデザインまで、採算度外視の妥協の無い仕事をしていただきました。
小倉さんの次回の自主公演はショパンを中心としたプログラムをモダン楽器を用いてなさるそうですが,今後の展開をお話ください。
次回の公演は[ショパンのルーツとオリジナリティー]と題し、東京文化会館で催します。楽器はニューヨーク・ウタインウエイを使う予定です。日本に入ってきてるスタインウエイはほとんどがハンブルグのものです。ニューヨーク・スタインウエイはホロヴィッツやグールドの用いていたもので、調整にもよりますが,元が優れた楽器ですので,微妙なニュアンスを弦に伝えることのできる楽器です。その楽器を用いている彼らの演奏は,独自のタッチで楽器に非常にダイレクトに表現を伝えていて,その点が私の考えるフォルテピアノの奏法に近いと考えています。フォルテピアノで培った奏法をモダンピアノ演奏に生かし,独自の世界を描くことができると確信するにいたりました。
楽器は、その作品が最も活きるものを選び、音楽そのものに宿る生命力にまず注目し、即興精神をもって表出することを目指して今後の音楽活動を展開していきたいと考えています。
- 2005年07月06日13:01
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