言葉のない会話

16世紀の末、シェイクスピアの活躍していたころのイギリスでは、音楽に造詣の深い貴族の間では、"Chest of Viols"すなわち、トレブル・ガンバ、テナー・ガンバ、バス・ガンバをそれぞれ2台、合計6台の美しく象嵌が施されたヴィオラ・ダ・ガンバを所有することが、最も嗜み深いこととされておりました。
夕方、その館に数人の貴族が集まり、音も匂いもしない高級な蝋燭をふんだんに灯し、四方から覗いて演奏できる楽譜をテーブルの上に置き、ヴァイオル・コンソートを楽しんでいたのでした。そこではフレーズごとに、各声部ごとに、言葉を必要としない会話が交わされ、そしてその会話が成し遂げられた時、貴族たちは挨拶だけ交わして帰って行くのでした。演奏家が何人か集まって、小編成の室内楽をする醍醐味は、それに尽きます。
言葉を必要としない会話
芝居の基本は「対話」です。「突っ込みとぼけ」。語るものがいて、それに頷くものがいる、また首を振るものがいる、興奮したり冷めたり、事件がおきたりと次々と
話が展開してゆき、とうとう話は纏まってゆきます。そこでは台本と、役者たちの演技とが
火花を散らしおり、役者自身の個性と役作りとの間には、
"真実" を表すために矛盾がないのです。そして何よりも役者同士の間では"敬意"が払われているのです。
音楽を演奏するときも同じです。
今回の演奏会の様子のスナップ写真を ネットレクチャーに少し載せてますのでご覧下さい。
言葉のない対話:その親密なるもの
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ
M.マレー
<組曲 ニ長調>ヴィオール曲集第5巻より
<人々の声>ヴィオール曲集第2巻より
<哀歌>ヴィオール曲集第3巻より
<師サント・コロンブの追悼曲>ヴィオール曲集第2巻より
J.S.バッハ
<ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ 第2番 ニ長調>BWV1028
★場所:会場 / 茅ヶ崎:くすやまホール
神奈川県茅ヶ崎市中海岸2-7-26
日時:2007年1月14日(日) 13:00~
共演者:水頭加菜子(Cem)
★場所:会場 / 名古屋:山のホール
愛知県日進市岩崎町竹の山149-506
日時:2007年2月4日(日) 15:00~
共演者:鈴木美香(Cem )
★場所:会場 / 東京:東京オペラシティタワー3F 近江楽堂
東京都新宿区西新宿3-20-2
日時:2007年2月23日(金) 19:00~
共演者:上薗未佳(Cem)
★場所:会場 / 三重:三重県総合文化センター 第1リハーサル室
三重県津市一身田上津部田1234
日時:2007年3月9日(金) 18:30~
共演者:神稲直美(Cem)
★場所:会場 / 兵庫:日本福音ルーテル西宮教会
兵庫県西宮市宮西町4-19
日時:2007年3月10日(土) 16:00~
共演者:神稲直美(Cem)
一般:3000円 学生:2000円
主催:東京古楽集団
- 2007年01月01日23:02
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