01-対位法・イディオム その会話的用法とは
ツアー後のある日、宇田川氏が弟子1を相手に、 ツアーを振り返りながら、音楽による「言葉のない対話」について話を始めました。
音楽的な会話っていうのは、基本的には、対位法だってことだよね。次々と繰り返される同じテーマが、ユニゾンだったり、オクターブ下だったり上だったりして、「同意」に聴こえたり、 5度違ったりすることで「反対」に聴こえたり、それがついては「展開」に聴こえたり、話が「まとまって」いったり、 あるいは「二人一緒」にテーマを弾いたりっていうことが起こる。
それを例えばガンバ・コンソートだったら、同じ楽器で、同じ演奏法、同じ音色で会話ができる・・・と。同意も反対意見もまとめも。
それを違った楽器でやるときに同じ楽器同士でやっているような会話として聴こえるかどうかが鍵・・・かなぁ。 それはひとつにはそれぞれの楽器の持ってるイディオムみたいなものを お互いが知ってる必要がある。
イディオム?
イディオム、つまり語法だよね。 チェンバロはクレッシェンド(次第に音量を強く)するときにアッチェレランド(次第に速く)する。ディミヌエンド(次第に音量を弱く)するときは少しリタルランド(次第に遅く)する。それが基本的なチェンバロの語法で・・・。 彼らは、弦楽器にできるほど、フォルテ(強音)とピアノ(弱音)にはできないのでそういう風に聴こえる方法を取る。
それを分かっていて、同じように彼らと一緒に仕事をする、と。
それでついては音楽が同意に聴こえたり、反対に聴こえたりするようにお客さまにも聴こえるように弾けるかが鍵、かな。
なるほど・・・"聴こえるように弾ける"・・・ですか。
・・・それで、問題なのはその会話ができているかだけじゃなくて、会話を楽しんでいるように聴こえるかっていうのが鍵。だね。下手すると楽屋落ちってこと、起こるからね。
楽屋落ち?
楽屋落ちとはどういうことでしょうか?
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その2へつづく>>
- 2007年03月20日23:30
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