03-そして幸せな気分に
例えば、ガンバも通奏低音も3拍持ってたりすると、チェンバロがたった一回弾いた和音は3拍もたないよね。
ましてや、途中でふくらんで、またディミヌエンドするっていうようなことが共通認識だとすればそれを一回の和音でポンって弾いただけでは無理だってことだよ。そうすると、そこにはアルペジオの工夫と、それから ディミヌエンドするためのニュアンスフルな右手のメロディーが聴こえてきたときに
「あーそういう風にしたいんだな」って
「それは僕とおんなじだな」っていう風に聴こえれば会話になる、と。
それはだから、対位法的な会話とは全然違う方法論なんだね。 そのほうが「Jazzy」なんだね。つまり「即興性」がある。
それはお互いに共通認識が取れれば、リハーサルしなくても出来る。逆にいうと、本番ならではのものができる。
毎回違っても問題がない、と。
会場の残響時間が長ければ、それを充分楽しむし
会場の残響時間が短ければ、早めにそれを処理をして次へ行くっていうようなことをお互いにできれば
今日はテンポ92でいきましょうとか、今日は残響が長いから82でやりましょうとか
打ち合わせがなくても済む。
ま、でもそれが、今回の企画だし
実際にそうやって毎回違ったリハをしたし、
本番もうまくいったんじゃないかな。
それがうまくいって、それがすごく幸せな気分だったことを
いまでも覚えてるよ。
具体的にどういった情景が浮かぶんですか?
僕が音を膨らませると、通奏低音奏者が膨らんできたり、 また僕がディミヌエンドすると、同じように彼女たちの右手がディミヌエンドするように聞こえてきて お互いに次のタイミングがふわっと合ったりするときに あぁ会話が行き届いてるなって 共通の美意識をもってるなっていう・・・。 それが 本番の最中に確認できたりするのは、楽しい事なんだよ。
普段の会話にしたって お互いが自分のいいたいことだけ言い合ってるのって、つまらないですもんね。
そうだよね。でもほんとは、目と目で全部がわかりあえちゃうっていうのがいいけどね(笑) それはそのほうがいいよ。
あはは(笑)そうですか。何十年もつれそった夫婦は可能でしょうかね?
いやー、でも一番盛り上がってる恋人同士がいいんじゃないの?? 長年連れ添って、少しずつずれていくってことも可能性あるからね。
<< その4つづく>>
- 2007年03月20日22:00
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