09-聴かせようとしないほうがいい

ネットレクチャー>言葉のない会話

それはホロヴィッツが何十年も前に
初めてクレメンティだけで曲集を出したときに、みんな
「あぁ、こんないい曲だったんだ・・・」って思ったんだよ(笑)

だから演奏会でもさ、お客さんは知らないだけなんだよ。
だから知っている曲を歌ってくれっていうわけ。
ところがそれは逆に言うと技量が試されているんだよ。
知らない曲でも
「あぁ・・・こんな綺麗な曲があったんだ・・・」って思ってもらえれば大成功だし
相変わらず、
「知ってる曲がなければつまらない」 って言われればまずいよね。

例えば君がヘンデルの名曲集を、来年のリサイタルでするよね
そのとき、ほとんどの曲が
みんなが知っているものばかりやったとして、
その中に
一曲だれも知らない、聴いたことのないような曲を演奏したときに
その曲の評価が下がってしまうかどうかっていうところが
一番試されてるってことでしょ?
だって演奏家は
だれもが知ってる「 Ombra mai fu 」が
一番いい曲だとは思っていないんだからね。

だから
「やってるつもり」と「そういう風に伝わっているだろうか」っていう問題とは
少しずつ違うと思うんだけど・・・・
それでも、聴かせようとしないほうがいい。

「聴かせようとしない」とはどんなことなのでしょうか??



<< その10へつづく>>


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