03-レコーディングの秘密とは? そしてアポジャトゥーラ!
そうか・・・
ただ本番の演奏を録るのとは違って、大木さんの音楽と、先生の音楽が出会って起こる化学反応こそ今回必要とされるものなんだ・・・
「ただの録音」ではなく、それがセシルレコードからCDを出すという意味の「レコーディング」なんだ・・・
録音当日に音楽を作り出していては、きっと化学反応までは行かない。 限られた時間の中で完成させるのは難しいだろうし。 よりよい音楽を作るために、大木さんと先生だからこそ出来上がる音楽を作り出すために、そのためのアイディアの引き出しをたくさん作るために、こうして前もって群馬まで大木さんに会いに来ているんだ・・・
ひらめくようにこう思った弟子1ですが、真相はいかに(!?)・・・。
合わせ第一回目は、
録音の心構えにはじまり
音のニュアンス作りのための具体的な方法論
(アルペジオ・アーティキュレーション・ダンパー処理などの工夫)や、
シラブルの決まり、曲に密接に関係するダンスのステップ、対話の精神など内容たっぷりの数時間が過ぎ、「じゃ、また来るからね~ん♪」という先生の言葉と共に第1回目の合わせは終了したのでした。
2007年3月20日(火)合わせ第2回目 (レコーディングまで21日)
場所:群馬 大木和音さん宅
メンバー:宇田川先生・大木・狩野・弟子1
09:30 宇田川先生、自宅出発
13:00 群馬 大木さん宅に到着
14:00 合わせ開始
前回同様、一音一音に注目し、細かく具体的に音の処理方法をつめていく・・・
宇田川
「あ。今のとこ。 (展開が)新しくない。」
宇田川
「そう、それならいい。
あ。待って。左、
長すぎる。」
宇田川
「あ。
同時に弾かない。
そう。そうそう。」
宇田川
「もう一回ここ弾いてみて。」
宇田川
「それって、
アポジャトゥーラ(*)のレと左手のラが
同時に弾きすぎるんだよ。」
大木
「ふふふふ・・・(笑)」
指示のない小節はないというくらい、細かく楽譜を読み、指示をされる先生。
その様々なコメントを受け、自分なりの解釈と共に音に直していく大木さん。
大木
「先生すごい・・・」
宇田川
「えっとー・・・
細かくないよね?僕ね?(笑)」
・・・。・・・。・・・。・・・。
このようなやり取りが永遠6時頃まで続き、
宇田川
「ちょうど時間だろ。
ナイスナイス!
ま、これで・・・大丈夫だろー。」
合わせ第二回目は終了したのでした。
(*)appoggiatura: 前打音、倚音
<< その4へつづく>>
- 2007年05月03日12:50
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