04-いよいよ当日・録音準備へ

チェンバロCD録音顛末記

先生と大木さんの集中力はものすごいものでした。
そして、今まで弾きこんできた曲を、大木さんが宇田川先生との出会いで
どのように変化させていくのか・・・。
改めて見直して、新しく作り変えていくという作業は
とてつもなく根気のいることだろうし・・・
今までのクセや形から抜け出すのは容易ではないはず。

レコーディングまで約3週間・・・。

帰りの車の中での先生の表情はとても晴れやかで 当日が楽しみ・・・♪ ときっと思われているに違いない、と 横で同じく笑顔な、弟子1なのでした。


2007年4月10日(火)
レコーディング当日、楽屋口前。
09:00 搬入口の扉が開かれ、一気に機材の準備開始。

調律師の狩野さんとアシスタントKさんが
大木さん宅から運んできたチェンバロも
舞台の一番響きのよいところを探して皆で設置します。

おもしろいことに
マイクとの位置関係や、会場の残響感との兼ね合いもあって、
チェンバロを置く位置は本番で置かれる位置から遥かに前、
客席ギリギリの位置に設置されました。
チェンバロの向きも 何cm、いや、何mmずつ動かしては
一番理想とする音が鳴る場所を探り、
最終的な場所を定めます。

今回の会場は特に、舞台・会場の床の状態が録音に大きく関わってくるようで
床にタオルを敷いたり、おもりを乗せたり。
それはそれは工夫の連続。
柔らかい床だと
録音したとき、音がうねってしまったりするんですねー。

演奏する側も工夫の連続だけれども
こうしてバックで支える側も
同じくちょっとした(と一見思われる、けれども)
細かな工夫工夫の連続なのだと
ひとつの真理を見た思いでした。

10:00 狩野さんによる調律開始。
11:00 大木さん楽屋入り。
12:00 宇田川:「録る前にメシにしよ~♪」

熱があるとは思えないほど元気な宇田川先生(おでこには変わらず冷えピタ)の一声で、お昼は皆でハンバーグ屋さんへ。しかも、病気の先生が誰よりも食べるのが早いというオマケつき。

「俺はどんだけ体調悪くても、食べられない ってことは絶対ない。これはもう、本能だな」 だそうです。

13:30 会場に戻り、皆が慌しく録音の準備再開。

大木さんは少し緊張した面持ちで
本日第1曲目の Italienisches Konzert (F-dur BWV971) J.S.Bach を練習開始。
それをヘッドホン越しに聞きながら、
ノイズがないか、録りたい音色が出ているか、
細かくチェックするK氏と先生。
弟子は会場の空調を消してもらいに事務所に走ります。


<< その5へつづく>>


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