01-対位法・イディオム その会話的用法とは


ツアー後のある日、宇田川氏が弟子1を相手に、 ツアーを振り返りながら、音楽による「言葉のない対話」について話を始めました。 音楽的な会話っていうのは、基本的には、対位法だってことだよね。次々と繰り返される同じテーマが、... 続きを読む

02-共通認識の大切さ


・・・それで、問題なのはその会話ができているかだけじゃなくて、会話を楽しんでいるように聴こえるかっていうのが鍵。だね。下手すると楽屋落ちってこと、起こるからね。 楽屋落ち? 当の本人たちだけが楽しんでいる。お客さん... 続きを読む

03-そして幸せな気分に


例えば、ガンバも通奏低音も3拍持ってたりすると、チェンバロがたった一回弾いた和音は3拍もたないよね。 ましてや、途中でふくらんで、またディミヌエンドするっていうようなことが共通認識だとすればそれを一回の和音でポンって弾... 続きを読む

04-多くを語らない日本の美意識


でもさ、その、恋人同士のような  会話そのものを必要としない、通じ合っているもの というのと  逆に、最も美しい・・・詩人が使うような言葉を使って、 お互いにハートに届くような会話をする・・・、  そういうもの以上の会... 続きを読む

05-ヨーロッパ人の美意識


ヨーロッパ人の美意識はもっと論理的なので 主語があって述語があって目的語があって・・ 次々と並べていくので、話がとぎれない。 それと いちいち、「Yes」「Oh, No・・・」「Ah~・・・」 とかって会話の言葉と言葉... 続きを読む

06-挑戦的なジャズと様式美と


そうだね。 違う調に行っちゃうとかね。 だから 笑福亭鶴瓶 がやってる舞台みたいに 台本がないっていうのは脅威だね。 話の進み方で次のことがいきなり決まって 例えば誰かが死んだという話になったら それは決してもう生... 続きを読む

07-台本・型・人間国宝


激しいものがあったり、 悲しいものがあったり、美しいものがあったり・・・ そういうことの共通言語で話が進んでいったりするんだろうね。 できるとすごいよねー。 ただ、我々がやっているのっていうのは 基本的には「様式美」... 続きを読む

08-クラシック離れの原因とは


同じ楽譜を使ってても 演奏者次第でおもしろくもつまらなくもなって・・・ ・・・・・ それって・・・ 最近の子供たちのクラシック離れの原因にも通じるんでしょうか・・・。 そう。 同じ台本やっていて ひきつけられる芝居をや... 続きを読む

09-聴かせようとしないほうがいい


それはホロヴィッツが何十年も前に 初めてクレメンティだけで曲集を出したときに、みんな 「あぁ、こんないい曲だったんだ・・・」って思ったんだよ(笑) だから演奏会でもさ、お客さんは知らないだけなんだよ。 だから知っている... 続きを読む

10-ほとんどが楽しもうと思って来ている


だれも知らない、聴いたことのないような曲を演奏したときに その曲の評価が下がってしまうかどうかっていうところが 一番試されてるってことでしょ? だって演奏家は だれもが知ってる「 Ombra mai fu 」が 一番い... 続きを読む

11-それは「現場の音」


会場が騒がしくなったら、それは演奏がまずいんだ、こっちが(笑) だって、ほとんどが楽しもうと思って来ているわけだから。 楽しくなければ、ざわざわするっていうのでいいはずなんだよね。 今回の演奏会はそういった意味では 皆... 続きを読む

12-小さい音に向かっていく音こそ


常に一方通行で、これ聴いてよ、聴いてよっていうんじゃなくて たまたまそこに出した音があって 出した音が人がいて 聴いている人がいるんだっていう・・・ 「そこに音がある」・・・ 「演奏している人と聴いている人がたまたまそ... 続きを読む